有機農業の歴史のところでもふれましたが、有機野菜が一般的に広まってきたことには、オーガニック運動の推進が大きく関係しています。
オーガニック運動をひとことで説明するのはとても難しいことですが、環境運動の一環といえます。
環境運動といえば、身近なところで考えると、ゴミの分別や節電節水、割り箸を使わないでマイ箸を持ち歩く、エコバッグを持参してスーパーの袋を断る、といった、いわゆるエコ運動ですね。
地球温暖化の影響によってさまざまな問題が噴出している現在、自分にできる身近なことから少しずつでも参加していきたい。
これは、みなさんが思っていらっしゃることではないでしょうか。
そのなかで、オーガニック運動は、簡単に説明するならば「農薬などで痛んだ土壌を回復させ、健康な状態に戻して、それを維持していこう」という運動といえるでしょう。
無農薬の健康な土壌で栽培された作物は、それをいただく私たちも健康にしてくれます。
健康な土壌は、そこで栽培される作物とそれを食する人間だけでなく、あたりの水、川や海、森林や空気、虫や動物、そう、すべての生態系に影響を及ぼすものなのです。
基本的に3年間、無農薬・無化学肥料の農地で栽培された野菜、と定義づけられる有機認証ですが、実際に3年間でこれまで使用されてきた農薬が全て消えてしまうということはありません。
農薬の種類によっては、100年以上残留するというデータもあります。しかし、だからといって残留度がゼロになるまで作付けを待つわけにもいきません。
慣行農法から有機に転換した翌年は、多くの生産者が「収穫量は減るし、虫にはやられるし、散々な結果だ」とおっしゃるそうです。
しかし、転換を決意したのだから、と試行錯誤しながら有機農法を続けていくと、あるとき、土壌の回復が実感できるそうです。
それが7年目あたりに多いのだとか。
抗生物質が人間の体内から完全に抜けるのに7年かかる、という説もあります。
不思議な一致ですが、大地とひと、地球の一員として、やはり密接なつながりがある、と感嘆してしまいますね。