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有機農業の歴史

有機農法によって栽培された野菜が売り場に並ぶことによって、「有機」という言葉が私たちの身近になったわけですが、では、有機農業そのものは、新しいものなのでしょうか?

いったい、わが国では、どのような有機農業が行なわれているのでしょうか?まずは、その歴史からみていくことにしましょう。

ところで「有機」と並んで「オーガニック」という言葉も、よく目にするようになりましたね。

環境を考えた活動の一環として、海外から入ってきた「オーガニック」の概念ですが、現在の日本では、農作物に関してはこのふたつの言葉はほぼ同意語として考えていいようです。

ただそのために、なんだか新しいムーブメントのようにもとらえられがちな有機農業ですが、大きく考えて、有機農業の誕生にはふたつ、あります。

まず、人類が「農業」を始めた当初、つまり農業が生まれた時点。

大昔は、農薬も化学肥料も何もないわけですから、当時の農業はすべて無農薬、自然の循環に従った「有機農法」だったといえますね。

この誕生からずっと、私たちは自然の力を利用しながら、その土地に適応した作物を作ってきたわけです。

さて、現在の私たちが概念としてとらえている「有機農業」、この言葉の誕生は、農薬や化学肥料が登場して近代化した農法が広まった1940年代以降になります。

農薬に頼りすぎた近代農業では、農地が疲弊し、このままでは農業に未来はない、という危惧を抱いた人々が、さまざまな農法に取り組み始めました。

特に、1975年、福岡正信著『わら一本の革命』は、無耕起・無肥料・無農薬・無除草を原則とした「自然農法」を提唱し、世界各国に翻訳され、実践されていきました。

こうした自然農法の流れともうひとつ、1960年代以降、農薬や化学肥料の害を健康面から考える運動も高まってきます。

レイチェル・カーソンの『沈黙の春』(1964年)、わが国では、有吉佐和子の『複合汚染』(1975年)をきっかけに、特に健康を気づかう女性たちによって「有機農業」という言葉は一躍広まっていったのです。